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鈴木 雅秀; 菱沼 章道; 山ノ内 直次*; 田村 学*; A.F.Rowcliffe*
Journal of Nuclear Materials, 191-194, p.1056 - 1059, 1992/00
被引用回数:4 パーセンタイル:41.92(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉環境下では、フェライト鋼において水素が(n,p)反応より約30atppm/dpa生成する。Fe同位元素を用いると、核分裂炉でもFeの(n,p)反応により水素生成を模擬することができる。しかしながらFeは通常大量には入手できず(~数gオーダ)、これを用いて鉄鋼材料を造ることは非常に困難である。ここでは、数gのFeを用いて、通常溶解の組成、組織と同等なフェライト鋼を作製する技術を確立した。作製されたフェライト鋼は8Cr-2WVTa鋼の低放射化鋼(F-82H)であり、Feの96%がFeで構成される。HFIRの照射により~20atppm/dpaの生成速度で水素を照射中に生じ、フェライト鋼の水素効果を調べることが可能となった。
桜井 淳; 近藤 育朗; 中沢 正治*
Journal of Nuclear Science and Technology, 18(12), p.949 - 956, 1981/00
材料試験炉の中性子スペクトル評価実験において、しきい値が0.1MeVのしきい検出器Ag(n,n')Agを導入し、実用化実験を行なってきたが、本実験はこのしきい検出器の信頼性の実証実験である。 今回の実験を通していくつかの重要な点が明確にできた。すなわち、弥生炉標準場でAgを含む14種のしきい検出器を照射し、その実験的に決定した反応率と計算で決定した反応率の差は、すべての反応に対して10%以下であり、このことは今回導入したしきい検出器Ag(n,n')Agの信頼性を実証したことになる。また、Ag(n,n')Ag反応と同時にAg(n,2n)Ag反応やAg(n,p)d反応なども起こるが、これらの反応により生成された放射能は、Ag(n,n')で生成されたAgの放射能測定には影響しない。Agの半減期は44.3secであるが、半減期が短いことが決定的な欠点にはならず、0.1MeV以上の中性子スペクトルを測定する上で有用なしきい検出器となる
桜井 淳; 近藤 育朗
Nuclear Instruments and Methods, 171(3), p.623 - 626, 1980/00
JMTRの中性子スペクトルの測定はJMTRCを用いて、しきい検出器法で行われている。測定はK-10(燃料領域),J-11(ベリリウム反射体1層目),I-12(ベリリウム反射体2層目)で行われているが、これらの位置の積分高速中性子束(1MeV)はそれぞれ410,210,410n/cm・secである。このような低レベルの高速中性子照射場でAl(n,)Na,Mg(n,p)Na,Ni(n,p)Co,Fe(n,p)Mn,Ti(n,p)ScおよびTi(n,p)Sc反応等のしきい反応を導入して高速中性子スペクトルを測定した。K-10位置で生成される放射能は10~10Cであったが、大型Ge(Li)検出器を用いて微量放射能を精度良く測定した。同時にCu(n,)Co,Ni(n,n)Co,Ni(n,2n)NiおよびCu(n,2n)Cu反応を検討したが、放射能が弱く使用できなかった。この論文は臨界実験装置の低レベル高速中性子束に対する(n,)および(n,p)反応の使用に関する技術的問題をまとめたものである。
山内 通則*; 飯田 浩正
JAERI-M 7915, 70 Pages, 1978/10
1次摂動理論に基づく感露解析を導入して核融合実験炉第1次予備設計における核計算結果の一部を評価した。解析の対象としたのはトーラス外側超電導コイルのNiとFeの(n,p)反応率、トーラス内側超電導コイルの銅の変位損傷、及び外側ブランケットにおけるトリチウム増殖比である。その結果(n,p)反応率、銅の変位損傷は構造材中最も多く使用されているFeに、トリチウム増殖比はLiOを構成するLiとOに最大の感度を示すことがわかった。中性子による超電導コイルの放射化と放射線損傷を計算することは深層透過問題を解くことであり、断面積の摂動は特に深層透過の場合に大きな影響を与える。そこで核定数の不確定さから(n,p)反応率と銅の変位損傷についてその不確かさを見積ると約30~40%となった。これは第1次予備設計の結果の信頼性をほとんど損なわない程度の値である。